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軽症外傷処置の原則
[2006年8月8日更新]


はじめに
 大学キャンパスでは多くの学生さんや職員の方が,すり傷,切り傷,打撲,ねんざ,やけどなどで保健管理センターを受診されます.もちろん,骨折の可能性があったり,破傷風のリスクが高い場合は専門病院をご紹介しておりますが,軽症でご本人が納得していただければ,初期治療から休日の処置指導を含み,多くの場合治癒まで当センターで対応しております.特に最近,外傷の初期治療のやり方が全国的に変わりつつあり,「消毒薬は(なるべく)使用しません」「ガーゼもほとんど使いません」という説明を受けてびっくりされた方もおられると思います.ここでは,患者さんご自身が自宅で治療する場合も想定して,軽症外傷処置の最近の原則をご紹介します.

まず洗浄,やけども流水で
 重症の場合に加え,傷が深い場合,何かが刺さって残っている場合,汚いものでけがをした場合,ペットなどの動物に咬まれた場合,低温やけどなどは,必ず早めに医師に診てもらいましょう.傷がよごれている場合はまず水道水などの流水で洗浄します.やけどの場合は軽症でも直後にかなりの時間流水で冷やす必要があります.薬品などが目に入ったり,皮膚についた時も,すぐに水道水で洗浄してください.洗浄後は清潔なタオルなどで水をふきとります.出血が止まらない場合も当然医療機関を受診してください.

消毒薬も洗い落とす
 イソジンなどの消毒薬も,傷の治りを遅くする可能性が指摘されており,何かの理由で消毒薬を使った場合でも,再び洗浄して消毒薬を洗い落とす方法が一般的になりつつあります.外科手術後の縫合創も消毒しない病院が全国的に増えつつあります.

ドレッシング剤とフィルム剤
 傷に直接触れるガーゼは,傷を乾燥させる原因になり,かさぶたができやすくなって治りが遅くなります.かさぶたを作らないように治療すると非常に治りが速くなります.最近では,傷に直接接するドレッシング剤の上に適度な通気性のある保湿性フィルム剤を貼ることが多く,ドレッシング剤とフィルム剤が一体となったものも薬局で入手できます.夏場はさすがにフィルム剤であせもができやすくなりますので,毎日洗ってから処置をしなおす必要があります.傷を洗浄しない時のシャワーは,フィルムにある程度防水性があり,そのままあびることができます.

まとめ
 軽症で,十分な洗浄ができ,傷を保湿環境に保てるのであれば,自宅治療でも速い創傷治癒が期待できます.治りが悪かったり,「何か変だ」と思われたら医師にご相談ください.

リンク
 新しい創傷治癒(夏井 睦先生)

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