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帰国直後の下痢
[2006年5月1日更新]


概要
 旅行先での生水,飲み物に入れられた氷,冷えた料理,サラダ,カットフルーツ,火のとおっていない肉・魚,生ミルクなどを介して,下痢を主症状とする感染症に罹ることがあります.旅行先では通常,なかなか治らない(4日以上続く)下痢や,下痢に血が混入している場合(血便)は医療機関を受診してください.それぞれの感染症には病原体が体内に入ってから発病するまでの期間(潜伏期間)があるため,帰国・訪日直後の下痢は血便がなくても,原因がはっきりしているなどの特別な場合を除き,医療機関を受診すべきと考えます.腸チフス・パラチフスやアメーバ赤痢など潜伏期間が長い可能性があるものがあるため,一般的には特に開発途上国からの帰国・訪日後2ヶ月以内の下痢には注意が必要です.下に主な輸入感染症の特徴をまとめます.

病名下痢までの潜伏期間特徴注意
コレラ数時間〜5日腹痛や発熱はまれ・脱水胃切除後や高齢者に死亡例
赤痢半日〜1週間発熱・血便・しぶり腹食器や箸を介することあり
腸チフス・パラチフス3日〜3ヶ月,通常1〜3週間階段状に熱上昇(比較的徐脈・バラ疹・脾腫)解熱後1週間は要安静(腸出血の可能性)
アメーバ赤痢数日〜数ヶ月(平均2〜4週間)イチゴゼリー状下痢腸外型では肝膿瘍

 この他に,日本国内でもみられますが,海外での注意も必要なものに,腸炎ビブリオ,腸管出血性大腸菌,キャンピロバクター,ノロウイルスなどがあります.

コレラの局地的流行について
 2006年3月,スーダン,ザンビア,タンザニアでコレラ患者が多数報告されています.また,2005年10月には,中国福建省と浙江省で,2005年9月にはイランでコレラの局地的流行が報告されました.最近では,病原性の強い古典型(アジア型)に代わってエルトール型が流行しており,病原性は弱いが感染力が強いことが知られています.世界中に分布する細菌ですが,特に滞在先が局地的流行地であった場合,帰国後の下痢には要注意です.

リンク
 海外渡航者のための感染症情報:感染症別情報があります

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