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重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)  ――集団発生は2003年7月で終息/最後の発生報告は2004年4月(北京)――
[2006年4月21日更新]


概要
 2002年から2004年に患者が確認され,高い感染力・高い死亡率(特に高齢者)・感染者の空路移動による伝播などで一時は世界中が大騒ぎになったウイルス性肺炎です.日本でもN95という規格の予防用マスクの入手が一時期困難になりました.SARSコロナウイルスが原因で,ウイルスの由来としてはハクビシンが話題になりましたがヒトへの伝播の詳細は不明です.ヒトからヒトへの感染経路は主に飛沫感染・接触感染です.2〜7日の潜伏期の後,インフルエンザ様の前駆症状があり,インフルエンザとの重複流行による混乱を避けるために流行前のインフルエンザの予防接種が推奨されました.特効薬がない状態が続いており,再発生した場合には,流行地へは近づかないことが最善の策と思われます.

発生状況
 2004年4月に北京で確認された9名が最後の発生報告です.集団発生期間中(2002年11月〜2003年7月)に地域内伝播が確認されたのは,中国,カナダ,モンゴル,フィリピン,シンガポール,ベトナムの6カ国ですが,感染源となり得る患者さんは現在は一人もいません.感染可能なSARSコロナウイルスを研究目的であつかう場合があり,研究者の不注意などから感染が起こった事例が過去においては報告されています.


非流行期の注意
 国立感染症研究所の感染症情報センターから非流行期におけるSARS対応ガイドライン(2003年12月19日)がでています.現時点では,SARSの再発生はないのですが,SARSコロナウイルスが存在しているリスクが高い地域として中国と香港があげられており,これにヒトの往来が多いことを理由に台湾が加えてあります.

(1)発病前10日間以内に,中国・香港・台湾への渡航歴がある場合

(2)発病前10日間以内に,SARSコロナウイルスを取り扱う検査室へ立ち入った場合

(3)発病前10日間以内に,SARS疑い患者との密接な接触があった場合

 上記の3つのうちいずれかである場合に,臨床的特徴(高熱とせきなど・X線検査で肺炎などの所見)と検査所見(SARS以外の病原体が検出されない)がそろえば,SARSコロナウイルスの検査を考慮するとされています.非流行期であっても,上記3つの場合はX線検査やインフルエンザの迅速検査などが必要ですので,マスク(N95である必要はありません)をして病院を受診する必要があります.

リンク
 ・国立感染症研究所感染症情報センター(SARS)
 ・厚生労働省SARS関連情報

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