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メタボリック・シンドローム(代謝症候群)
[2006年5月9日更新]


メタボリック・シンドローム(代謝症候群)とはなにか?
 メタボリック・シンドロームは、肥満(主に内臓脂肪型肥満)に加え、コレステロールや中性脂肪の異常、軽度の糖代謝異常、高血圧などが複合する生活習慣病です。そして、肥満、高血圧、高血糖、高脂血症はそれぞれ、動脈硬化の危険因子です。メタボリック・シンドロームはこれらが合わさっているのですから、心筋梗塞や脳梗塞になり易い状態です。日本の調査では、軽症であっても肥満、高血圧、高血糖、高脂血症があれば、心臓病の発症リスクが5倍、2つ持つ人は10倍、3〜4つ併せ持つ人は約30倍!!にもなることがわかっています。そして、米国のみならず日本においても、肥満症、高血圧、高脂血症、糖尿病の患者さんが増加し、さらに若年化しつつあることは、注目すべきことです。
 ちなみに、肥満の指標としてBMI(Body Mass Index)があります。BMIは以下の式で計算され、「22」が健康維持には理想的とされており、「25以上」は肥満となります。(程度に応じて、「25以上」を1度肥満、「30以上」を2度肥満、「35以上」を3度肥満、「40以上」を4度肥満と定義します。) 「25以上」では高血圧、高中性脂肪血症を来し易く、「27以上」では糖尿病を、さらに「29以上」では高コレステロール血症を来し易くなります。ですから、「30」以上の肥満(2度、3度、4度)の方は、様々な合併症を来しやすく、病的肥満となります。

BMI = 体重(kg)÷身長(m)2
JavaScriptを利用したBMIチェック

どうして起こるのか?
 発症の根底には、運動不足、肥満(特にお腹の内臓脂肪)、食べすぎがあります。こうした状態は、血糖を調節する働きを持つインスリンの作用を妨害(インスリン抵抗性)します。インスリンの働きが悪いと血糖が上昇し、それを阻止するために、膵臓が大量のインスリンを作り、糖尿病にならないようにします。しかし、インスリンには脂肪を合成する作用があるので、おなかに脂肪が蓄積するのです。どんな人でも、タバコや血圧や血糖、血中脂質の上昇によって、血管が少しずつ傷つけられていますが、アディポネクチンという体の中の修復屋によって、傷は修復されます。しかし、内臓脂肪が増加すると、このアディポネクチンが減少し、さらに大型の脂肪細胞からは悪玉のアディポサイトカインが分泌されます。そうすると、インスリンの作用が妨害されたり、血液が粘っこくなったり、血管の壁に炎症反応が起こり動脈硬化を作ることになります。
 このように、メタボリック・シンドロームはエネルギー代謝のバランスの破綻、インスリン抵抗性、炎症反応などが複雑に絡み合って成立すると考えられています。よって、メタボリック・シンドロームの構成因子の中でも、特に内臓脂肪の蓄積が重要な役割を担っているのです。

あなたは、こんな生活をしていませんか?
 はじめに書いたように、メタボリック・シンドロームは運動不足、肥満、食べすぎなどの生活習慣が密接に関係しています。あなたは、こんな生活をしていませんか?あなたの生活習慣を振り返って見ましょう。当てはまる項目が多い人は要注意です。

・ 食事は満腹になるまで食べる
・ 間食をよくする
・ 料理に砂糖をよく使う
・ 濃い味付けが好き
・ 緑黄色野菜をあまり食べない
・ 脂っこいものを好んで食べる
・ 普段から階段を使うことが少なく、エレベーターなどに乗ってしまう
・ 運動の習慣がない
・ ストレス解消にお酒を飲むことが多い
・ タバコを吸っている

メタボリック・シンドロームの診断基準は?
 メタボリック・シンドロームの診断基準では、内臓脂肪の蓄積が必須条件となり、他の3つの項目のうち2つ以上を満たしている場合に、「メタボリック・シンドローム」と診断します。

<必須項目>
ウエスト周囲径 男性85cm以上、女性90cm以上
  (内臓脂肪面積 男女とも100u以上に相当)

<選択項目> 3項目のうち2項目以上該当
@ 中性脂肪:150mg/dl以上 または HDLコレステロール:40mg/dl以下
A 収縮期血圧:130mmHg以上 または 拡張期血圧:85mmHg以上
B 空腹時血糖:110mg/dl以上

メタボリック・シンドロームを予防・改善するためには…
 メタボリック・シンドロームの重要な因子に、遺伝的要素がありますが、それだけでは起こりません。むしろ運動、食事、飲酒、喫煙といったライフスタイルの影響のほうが大きいのです。ですから、基本はライフスタイルの改善が、メタボリック・シンドロームの予防、及び改善へと結びつくのです。

 <食事の摂りかたに気をつけましょう>
  ライフスタイルの改善は、まずは規則正しい食事からです。三食きちんととり、間食は避けましょう。また「ご飯」「野菜」「おかず」の3つを基本にしたバランスのよい食事を取るように心がけましょう。外食だと脂肪やカロリー、塩分の取りすぎになりがちです。その際は品数の多い定食を選ぶとよいです。ファーストフードでも、一緒にサラダなど野菜を組み合わせるようにしましょう。そして腹八分目に抑えることが肝要です。

 <運動不足を解消しましょう>
  ウォーキングやランニング、水泳などの有酸素運動は脂質代謝を高めるので最適です。運動の習慣化が目的ですので、「1回20分〜30分のウォーキングを、週2〜3回」などが、無理なく続けられると思います。「運動する暇なんてないよ」という方へ、「街の中は階段あり、坂道あり、回り道あり、街はジムのようですよ」。駅から歩いたり、バス停一つ分歩いたり、できるだけ階段を使ったりして、「一日一万歩」を目指しましょう。

 <お酒はほどほどに>
  「百薬の長」といわれるアルコールですが、脂肪に変わりやすいのでとりすぎは禁物です。適量の目安は、ビールなら中ビンで1本まで、日本酒は一合まで、ワインはグラス二杯まで、ウイスキーはシングル二杯まで、焼酎はストレートでコップ半分まででしょう。おつまみには高カロリーのものが多いので、食べすぎには注意しましょう。

 <禁煙しましょう>
  百害あって一利なし。
  保健管理センターでは、いつでも禁煙指導を行っています。
    
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